大ノ沢から大山(1709m)

【前書き】
 通常、冬の大山はあまり晴れることがないのに最近は晴天続き。そのため残雪量はどんどん減ってきています。
 土曜も晴れの予報なので急遽リベンジに行くことに。ただ、雪崩注意報が少し心配。この日は気温が低下するので、昼までに登り切れば良いか。

【年月日】’11.2.26(土)
【コースタイム】
(移動)25日(金):自宅出発(19:40)→(中国〜山陽道)→美東SA(20:50)→江の川PA(23:00)→大佐SA(23:55)車中泊
     26日(土):トラックのエンジン音で眠れないため早めに移動 大佐SA(3:40)→桝水高原スキー場(4:55)       

(登山)桝水高原スキー場(6:30)→リフト最上部(7:00)→大ノ沢(7:20)→堰堤最上部(8:30)→V字部(10:00)
     →弥山(11:00-25)→(夏山登山道)→6合目(12:15)→夏山登山口(13:15)→(環状道路・大山道)→スキー場(14:25)

(移動)スキー場(14:40)→蒜山高原SA(15:15)→大佐SA(16:10)→安佐SA(18:00)→下松SA(19:20)→自宅(21:30)

【費用】高速代:行き\1,000+帰り\1,000=\2,000   ガソリン代:約950km分
【同行者】単独
【場所】国土地理院 ウオッちず地図閲覧サービス(試験公開) 533304 2万5千分1地形図名:伯耆大山 [南西]

【写真と解説】


 この写真は帰りに溝口ICの手前で撮影したものです。今回登った大ノ沢の全景が分かります。
 今回のコースは、写真下段左寄りのスキー場上部から水平に右方向に歩きます。写真右下隅が大ノ沢の約標高870m地点です。
 右の樹林帯を登り、樹林が切れる辺りに僅かに堰堤の最上部が見えます。ここから沢に沿って雪面を左斜め上方向に登り、沢が狭まる標高1500m付近から右斜め上に登り、頂上部の右端にたどり着きます。スキー場駐車場から弥山山頂まで標高差約1000mです。


 今回は、スノーシューを履いているので非常に快調です。これから右のブナ林の中を登っていきます。


 ブナ林の中に古い踏み跡があったのでそれに沿って登っていきました。結構な斜面ですが、スノーシューで全く問題ありません。
 調子に乗って登っていたらいつの間にか沢から外れすぎのような気がしたので、沢に降りました。


 大ノ沢の右岸に朝日が差しています。綺麗ですね。こういう景色が見られるのが山登りの楽しみの一つです。


 堰堤最上部付近まで来ました。標高1200m弱です。前回引き返した地点の近くです。ここから雪原に出て傾斜も増すし、雪も硬いのでスノーシューからアイゼンに変えました。カメラを雪の上に置いて履き替えていたのでレンズが冷えて結露して曇ってますね。


 今日は3時間位しか眠っていません。最近は山に登っても10時頃までは調子が出ないのですが、今日は快調だと思っていたら急に高所恐怖症の症状が。
 1枚目の写真を見るとコースは明瞭のように見えますが、実はどこを登れば良いか、分からないのです。
 急斜面で見上げれば、雪の壁。恐怖心が湧いてきて、取り敢えず、雪の融けたガレ場まで登って休もうとそこにたどり着いた途端、恐怖心が最高潮に。この恐怖感は高所恐怖症の人にしか分からないでしょう。三遊亭圓生の落語「杯の殿様」ではないですが、心理描写すると次のようになります。
 恐怖心:「これはだめだ。怖くて体が動かない。救助を要請する羽目になるかもしれない。」
 自制心:「まだ9時で時間はある。慌てる必要はない。落ち着くまでじっとしていれば良い。」
 恐怖心:「これでは怖くて下ることもできない。」
 自制心:「下るのは無理だが、雪面だけ見て登れば登れる。標高1500mまで登れば傾斜は緩やかになる。あと200m程度じゃないか。」
 恐怖心:「怖くて後ろを振り向くこともできない。ましてや写真なんか、撮る余裕もない。」
 自制心:「周りを見るから怖くなる。目の前の雪面だけ見ていたらよい。写真は左横に見える美保湾くらいなら撮れるんじゃないか?」
 そういう状況の中で撮ったのが上の写真です。


 実際に現場を登っているとどうコースをどう取れば良いのか分かりません。左方向に登りながら沢の本筋へ入ろうと再びガレ場へよじ登ってみました。
 標高1500m弱です。運良く、そこがV字状になった急斜面から緩斜面に変わる最後の急斜面の部分でした。
 高気圧で上から寒風が吹き付けてきます。体が冷えると正常な判断が出来なくなるのでセーターと雨具を着ます。
 登ってきたコースを振り返りました。


 右下側です。スキーで下った跡があります。スキーの出来る人が羨ましい。


 大ノ沢の本流の最狭部を登ります。


 最狭部を抜けると緩斜面を後はゆっくり登るだけです。やれやれ。なんとか登れたという安堵感。
 天気も良いし、最高です。


 弥山にはヘルメットを被った人達がたくさん。今日は天気が良いので雪山訓練かな。6合目避難小屋付近でも訓練してました。 


 剣ヶ峰に向けて多くの登山者が歩いていました。


 避難小屋の陰でおにぎりを食べ、夏山登山道を下りました。


 夏山登山道は結構人が多かったです。例年より雪は多く、登山者が踏み固めているので歩くのに全く問題はありません。


 6合目避難小屋は完全に雪の中です。


 下山後、通行止めになっている環状道路を歩こうとしたら雪に埋まって歩けません。スノーシューを再び履いて歩きます。環状道路から大山道に出てスキー場に戻りました。スキー場前から見た大ノ沢です。良かった。

【後書き】
 家を出て戻るまで26時間。睡眠3時間、登山8時間、残りは運転と食事。好きだから出来るんですね。
 山中パニックは良い経験だと思います。山は精神コントロールの場にもなると思います。もうこんな場所には二度と行かないと決心したのですが、今では訓練して次の挑戦の場所を探そうか、とも考えています。


【前書き】
 大山は雪の振子沢を歩いてみたいと思っていたのですが、体力不足とコースの厳しさもあり中々実行できずにいました。色々調べるうちに大山西側尾根の大ノ沢なら登れるのではないかと考え、とりあえず行ってみることに。

【年月日】’11.2.5(土)
【コースタイム】
(移動)4日(金):会社出発(20:00)→(中国〜山陽道)→宮島SA(22:30)→庄原IC(23:30)→大佐SA(0:15)車中泊
     5日(土):大佐SA(5:50)→溝口IC(7:00)→桝水高原スキー場(7:10)

(登山)桝水高原スキー場(7:30)→リフト最上部(8:00)→大ノ沢(8:50)→1175m引返し(11:10)
     →大ノ沢(12:00)→リフト最上部(12:20)→駐車場(12:40)

(移動)スキー場(13:00)→溝口IC(13:10)→落合JCT(14:00)→大佐SA(14:25)→阿佐SA(16:10)→会社(19:10)

【費用】高速代:行き\1,500+帰り\1,500=\3,000   ガソリン代:約950km分
【同行者】会社M君

【写真と解説】


 桝水高原スキー場の駐車場は標高705m程度ですから、ここで車中泊すると相当寒いと考え、高速の大佐SAで泊まりました。本当は蒜山高原SAまで行きたかったのですが、睡眠不足にならないように早めに泊まることにしました。
 7時過ぎにスキー場の駐車場に着きましたが、山の上半分は雲の中です。
 写真の中央部がスキー場。右側の樹林が斜めの線状に切れている部分が大ノ沢です。
 今からスキー場の右端をリフト上部まで登り、横手道を大ノ沢まで歩きます。スキー場を登る段階で早くも滑るのでアイゼンを装着しました。


 横手道が分からずに樹林帯を歩いたりしたので大ノ沢に到着するのに1時間20分も掛かりました。
 横手道にはスキーの跡がありました。やはりスキーは沈みませんね。私達はスノーシューを持ってきてないのでズボズボ埋まります。
 ここの標高が約870m程度です。上部の傾斜が緩やかになるのが標高1600mですから急傾斜の標高差700m以上を登る必要があります。
 写真の右側を登っていきますが、樹林帯を抜けるのが標高1250m程度でしょうか。


 雪の吹き溜まりにはまると腰まで埋もれるので、できるだけ雪の締まった部分を歩こうと右に左にコースを選びます。
 胸まで雪にはまって中を覗くと砂防壁の壁があったり。普通に20〜30cm程度埋もれながら登るのできついです。持ってきていませんが、スノーシューは充分に使えます。使えば、多分、倍の速さで登れるでしょう。結局、標高1175m付近で引き返すことにしました。もう少しで樹林帯を抜ける部分ですが、このもう少しが中々登れません。約2時間掛けて、標高差300mしか登っていません。山頂はガスの中だし、午後には若干天気が崩れるらしいし、降りることにしました。


 下りながら振り返ると晴れました。良くあるパターンです。綺麗ですね。手前は砂防壁の段々になっています。
 今日は右側の上部の樹林帯付近まで登りました。


 ズームしました。真っ白な雪と真っ青な空の中を登りたいです。冬に大山が晴れることはめったに無いのですが、今年は晴れが連続しています。
 今期中に再挑戦したいと思います。この写真では勾配が緩やかに見えますが、実際は結構な急傾斜です。高所恐怖症の私にとっては、相当のプレッシャーが掛かります。次はスノーシューとアイゼンとピッケルとストックを持って再挑戦です。


 写真右の大ノ沢の樹林が上部で切れて、その上に小さな樹林があります。その付近まで登りました。全行程の半分程度です。
 再挑戦は、恐ろしさ半分、楽しさ半分。

【後書き】
 結局、今回は下見登山となりました。スノーシューを使って、中腹まで2時間程度で登れば、後は何とかなるでしょう。
 今回も下山後は温泉にも入らず、さっさと帰りました。次は少しゆっくりしたいものです。

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